インバウンドブログ

ネイティブ広告って、結局記事広告のことなんじゃないの? と疑問をお持ちの方に。

2014/05/16 10:39:00

だいぶ前から、Googleアラートに( native ads とは別に日本語で)「ネイティブ広告」や「ネイティブアズ」、「ネイティブアド」と言った言葉を登録してあって、新しい情報が届くようにしてあるのですが、最近、この件について書かれた記事が非常に増えてきていると実感しています。

一方で、こうした新しい言葉が普及しだすタイミングでは、必ずと言っていいほど混乱が起き、色々な考え方・定義が氾濫する傾向にあるようです。

今朝、次のような記事を目にしました。

最高のPR記事(アドバトリアル)を成功させる14の手順 (BLOGOS)

この記事は日本のSEO業界では著名な滝日伴則さんが翻訳記事として紹介しているもので、元ネタはこちらです。

The 14 Keys to Writing Advertorials That Sell

※最後の最後に翻訳であることが書いてあるので、正直、タイトルなどにも滝日さんの名前が出ていたので、当初は翻訳記事だとは思いませんでした(ズルい笑)。

さて、元記事では最初の1行に、

"Advertorials are native ads with a single purpose: getting specific action from the reader."

とありますが、他のところは結局は「よいアドバトリアル(記事広告)」の書き方という記事になっています。

これはこれで非常にためになる記事ですよ、一度お読みになることをおすすめします。

ただ、一方で、「アドバトリアル(記事広告・PR記事)はネイティブ広告である」と言ってしまうのは、いささか乱暴な気がします。

米国でも、native ads ってのは、advertrial の "fancy name"、つまり、記事広告・PR記事の洒落た言い換えじゃないの?という議論は2012年頃からありますが、一方で両者は違うものなんだよ、という意見も成立してきています。

それは次のようなものです。

native ads と advertrial の違いは2つに分けられます。

ネイティブ広告については様々な種類が存在しますので(このあたりは、ビルコム太田社長がIABの記事から起こした記事があるのでこちらを参照ください)、今 回はネイティブ広告の中でも「カスタム型 custom」と呼ばれる中の“媒体( publisher's site )上に記事形式で掲出されるネイティブ広告”について絞ってお話しますが、ーーーというか、「ネイティブ広告って記事広告のことじゃないの?」という疑問 が起こる場合のネイティブ広告はこの形式のものですーーーこれが従来の「アドバトリアル(記事広告・PR記事)」とどこが違うのでしょう?

1.コンテンツと作るのは誰か?

まず明確なのは、「コンテンツ制作者」の違いです。

こちらのニュースをご覧ください。

 

The Wall Strert Journal Lauches Native Ads Studio

 

今年の3月にWSJが、ネイティブアドの専門制作チームを作ったというニュースです。一般的に、日本の新聞社や雑誌社でも、伝統的に「記事広告」はあったし頼めば制作もやってくれた、という経験者も多いかもしれません。しかし、新聞や雑誌の世界では、いわゆる”(本体の)記事”と”記事(風の広告)”というのは明確に分かれていて、「広告」として記事形式のものを出稿する際には、それらの本体の編集チームではなく、外部の編集プロダクションによって作られるのが常でした。つまり媒体社の”社内”での制作ではないわけです。つまり、アドバトリアル(記事広告・PR記事)は、媒体社の社外(=外部プロダクション・代理店・広告主など)が作るものである、ということです。

WSJの動きにおいては、媒体社の”社内”にネイティブ広告の編集・制作のチームを作ったわけで、ここが実は非常に新しい。ネイティブ広告の流れがもたらした組織といえるのです。

※私も先ごろ仕事をさせていただきましたが、LINE株式会社の谷口マサト氏が率いる広告主向け企画記事を作る通称”バカジャイル”チームはそれに近いかもしれません。

一つ目のポイントについてまとめると

ネイティブ広告は媒体内の[広告主向け編集チーム]によって作られる。アドバトリアルは記事形式で作られた広告。必ずしも媒体側で作られることはなく、代理店や広告主側で作られることもある。

ということです。

 

2.媒体のコンテンツやフォーマットとの親和性

ネイティブ広告は、出稿先の媒体やプラットフォームに「馴染んだ」ものである、と言われることがあります。

これは、ネイティブ広告がその形式・デザインにおいて、媒体やプラットフォームの他のコンテンツに採用されているものと同じ形式・デザインのものを採用することが前提となっているからです。

少しわかりにくいですよね、この部分。でもこのことはネイティブ広告が native と言われる所以なので非常に重要なことなので、よく理解しておいてください。

たとえば、facebookやlinkedinの広告の中で、sponsored post と言われる類のものは、イン・フィード型(In-feed unit)と呼ばれることがあり、ネイティブ広告の一つとして捉えられています。これらの広告は「広告」ではありますが、ディスプレイ広告のように、その媒体・プラットフォームの他のユーザーインターフェースを邪魔するような枠(unit)ではなく、いわゆる広告でない他のコンテンツと同じ形式・デザインとなっています。

ディスプレイ広告の世界では、「そもそも広告が表示されていても、人々は無意識に見なくなってしまっている」と呼ばれる広告忌避が問題とされていますが、ネイティブ広告は他のコンテンツと「馴染んだ」形式で表示されるので、見てもらえる可能性が高いと期待されているわけです。

そしてもちろん、その媒体や媒体上のコンテンツとのフィット感(= relevancy )も重要となっていて、その媒体のオーディエンスにあった内容であるとか、フォーマットである、ということも、とくにアドバトリアル(記事広告・PR記事)と一緒にされがちな「カスタム型(の中の記事風)ネイティブ広告」においては重要な要素となっています。

一方でアドバトリアルは、媒体などでコンテンツを呼んでいる読者にとっては、唐突なことがあります。

なぜか?

それは、媒体・プラットフォームの形式やデザインとは関係なく、またその読者・ユーザーよりも企業が送り込みたいメッセージの要素が大きい傾向にあるからです。

この点において、ネイティブ広告は、より読者・ユーザー視点に立たねばならない広告手法だと考えられます。

2の点についてまとめますと、

ネイティブ広告はフォーマット(形式・デザイン)などにおいて、媒体やプラットフォームにマッチしたものとなり、それらに“馴染んだ”広告形式となる。結果として、それらの読者・ユーザーにあわせたものが企画される。一方、アドバトリアル(記事広告・PR記事)は必ずしも、媒体やプラットフォーム側とマッチした形式とはならず、いわゆる従来の広告と同じような、企業側が送りたいメッセージを一方的に送り込むものとなりがちである。

さて、どうでしょう?

もちろん、ネイティブ広告であろうが、アドバトリアルであろうが、「PR」や「広告」、「sponsored」などといった、「これは広告主の依頼によって作られたコンテンツである」という paid であることを表記することは大事なことであって、これは業界内で順守されるべき倫理だと思います。

 

このブログのタイトルである、「ネイティブ広告って、結局記事広告のことなんじゃないの?」という疑問は解決しましたでしょうか?

 

ネイティブ広告は、インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングの観点からも、非常に重要な広告形式だと思います。弊社では、国内外のネイティブ広告プレイヤーと連携し、媒体社・広告主企業におけるネイティブ広告活用・導入についてのご相談をいただくことも可能です。

ネイティブ広告の悩みについても弊社、マーケティングエンジンまでお問い合わせください。

 

ネイティブ広告の活用・導入についての お問い合せはこちらから

Posted by Nori Takahiro
マーケティングエンジン元代表・高広伯彦です。関西学院大学・同志社大学大学院修了後、博報堂、電通、Googleにて広告ビジネスの様々な側面に関わってきました。スポーツは競技ゴルフ、趣味は(いけないことが多いですが)フライフィッシング。大阪の民族学博物館という世界に誇れる博物館のそばで育ったので、博物館巡りも非常に大好きです。海外出張に行った際には、現地の博物館・美術館に必ずといっていいほど通います。マーケティングやメディア関連でのオススメ書は『情報選択の時代』、『知的生産の技術』、『ホモ・モーベンス』や『ビーイングデジタル』などのすでに古典となった書物たち。『次世代コミュニケーションプラニング』や『インバウンドマーケティング』という本も書きましたのでぜひそちらも手にとってみてください。
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